腰痛に悩まされる原因とは?

利用者を抱きかかえることの多い移動作業や中腰での作業が多い介護職というのは、腰痛に悩まされる人が後を絶ちません。
腰痛はただ痛いだけでなく、痛みからくる精神的な苦痛、悪化することによって病院にかかったり、仕事を休んだり、ひどくなると仕事を退職しなくてはならない場合もあります。
介護の場面ではどのような動作をすることで起こるのか、また予防や対処策はあるのでしょうか。

高齢者をベッドから車いすに移動させたり、車いすからトイレに移動させる移乗介助ですが、前傾姿勢で行うこの動作は一番腰痛になりやすいと言われています。
腰をかがめた姿勢で高齢者の腰やお尻、膝などを支えたり抱えたりして移乗させるため、腰や腕にも負担がかかります。

入浴介助の際も、浴槽へ移動させたり、頭や身体を洗ったり拭いたりと常に中腰での姿勢になり、かなり腰への負担が大きくなります。
またオムツを使用している高齢者もおり、その場合はおむつの交換のために前傾姿勢を10分以上保たなければならないこともあります。
寝返りを打つことのできない人には体位交換も必要で、これらの動作は全て腰へ負担がかかります。

このように腰への負担が常にかかる介護職ですので、何らかの対策をしなければ一気に腰痛が悪化します。
腰を曲げるのではなく足をしっかりと開いて腰から下に落とすようにする、移乗の際は持ち上げるのではなくスライドさせるように移動させる、また自分自身で腰を保護する骨盤ベルトやコルセットなどを使用するなど腰への負担を減らさなければいけません。
介護職をする上で絶対に逃れることのできない腰への負担、毎日の動作を少し意識して変えるだけでも負担度が違ってきます。